
本を読んで
森田 健
講談社
2007年11月12日初版発行
1429円
森田さんの不思議現象へのアプローチには脱帽だが、その辺の話は、「不思議の科学」のところで書いた。
不思議研究所からは、その後も「不思議の友」を送ってきていただいていて、(ま、森田さんも商売で、不思議な話と、
不思議グッズの通信販売はビジネスモデルが確立されているみたい)その後、中国の占いを調べて、ご自身大金持ち
になった話とかもまあ興味深いですが、何よりも宇宙とは何か? 人はどこから来て、どこへ行くのか的な好奇心が前
提にあるので、氏の体験と思索と実験を通じて、納得できる啓示をいただける。そして、それが、他のいろいろな方の
本を読んで感じるところとたぶん同じなのでまた興味深い。
「あなたは失敗をすると。いつも叱られました。自分に原因があるのだから反省して直せと言われてきました。<中略>
そうではありません。あなたは今のあなたであれば良いのです。何も変える必要はありません。<中略>あなたは結果
としてしか、存在していないのですから。」
運命は決まっているから、ハンドルを放して、おまかせしましょうと言われるに至ったお話です。個人的には、最も科学
的アプローチで論理的に悟られている人ではないかと感じています。最新の「不思議の友」に紹介された占いの結果で
は、数年後にまた宇宙の解明に向けて進展されるようですから、楽しみです。
リン・マクタガート
早野依子訳
PHP研究所
2007年11月9日初版発行
1500円
若い頃から、超能力というようなものが好きだったが、自分にはできないという絶対的な壁があった。
若くない年になっても、TVなんかでの取り上げられ方はあんまり変わっていないから、相変わらず科学の手の届かな
いところなんだろうなと思う。ただ、超ひも理論とか、場の量子論とかで、解明できる時代がくるんじゃないかとの思いは
少しずつ強くなっている。(でも、自分と超能力はたぶん縁がない。)
いつのまにか、正式に教科書とかNHKの番組で解説されない現象は現実には存在しない・・・的な発想になっていて、
これだけ、世の中で不思議なことが起きていると聞いても、憧れ的にしか聞かない人間になってしまった。
この本は、着実に時が流れ、現象を科学的にまともにアプローチしている人たちがいるという事実を紹介している。
たとえば、同じような進行の癌患者を、3つのグループ、たとえば、ヒーラーが遠隔で治す想念を送るグループ、宗教
家が治るように祈るグループ、何もしないグループに分け、それぞれのグループの患者の血液中のある値を測定して
変化を調べる・・・・といったアプローチをたくさん紹介している。
植物が葉っぱを切ろうとする人の想念に影響を受けるというウソ発見器を応用した測定器でのデータやら、いや、こ
の話も以前から知っていたのだが、なにか、へ〜?そんなこともあるものかというレベルでしか聞いていなかったものを
まともに信じてみたらどうなるだろう・・・ひょっとして、超能力が発揮できるようになるかも。
マルロ・モーガン
小沢瑞穂訳
角川書店
1995年6月初版発行
1999年4月文庫 533円
フィクションの類は、ここに載せるのはやめようと思っていたから、最初にこの本を図書館で借りて読んでから10年ほ
どになるが、あえて載せていなかった。その後、芹沢光治良さんの本に出会い、大きな影響を受け、どう考えてもフィク
ションだよね…という本を本当と信じて、紹介した。そういう意味じゃ、この本も載せるべき本である。著者自身が、事実
と経験に基づいて書いたとしているし・・・
この本は、著者(女性だ)が、オーストラリアのアボジリニに表彰される(?)という招待を受けて、訪れてみたら、突然
文明の道具をすべて取り上げられて、炎天の大地を彼ら<真実の人>族と旅をするという話。
実際、紹介されている物理現象がフィクションであったとしても、感銘を受けた部分はあんまり影響されないかもしれ
ない。たとえば、こんなところだ。
彼らにスポーツというものを紹介したときの対話、かけっこをして遊ぼうという話で、
「だけどひとりが勝ったら残りはみんな負けるんだろう?それは楽しいのか?ゲームは楽しむためにあるんだよ。どうし
てみんなそんな競争をするんだろう。」
・・・<真実の人>族には、恐怖心がない。ミュータントは自分の子供をおどす。彼らは法律や刑務所を必要としてい
る。国家の安全さえ他国に対する武力行使で成り立っている。この部族によれば、恐怖は動物王国の感情だ。・・・人
間が聖なる一体について知り、宇宙は偶然の産物ではなく解きほぐされつつある計画だということがわかれば恐怖を
感じるはずがない
とか。思えば、恐怖というものを真に体験したことがあったろうか。。。少なくとも、化け物に襲われたり、悪魔から誘惑
を受けるなどという行為はすべてフィクションではないか。それにおびえて、現実とフィクションの違いがわからないま
ま、恐れの前提の社会生活を送っていまいか・・・
考えて見れば、親に怒られる、先生に怒られる、学校生活を評価される、会社で上司に注意される、信賞必罰で評価
される、取引先とうまくやらなければならない、未知のできごとをうまくこなさなければならない・・・そのうち、言い知れぬ
不安の存在が普通の生活。いや、僕なんかのような小心者だけかもしれないが、たぶんそういうのを苦にもせず、バリ
バリと生きていく人間を目指せというのがこれまでのメッセージだったが、はたしてそうだったのだろうか・・・根底には、
神に罰せられるのを怖れて生きる人々、間違った信念を信じて生きる民族。国家。
アダム
杉本詠美訳
徳間書店
2007年2月28日初版発行
1600円
癒しへの旅
ブランドン・ベイズ
牧野・M・美枝訳
PHP研究所
2007年6月8日初版発行
1400円
神の使者
ゲイリー・R・レナード
吉田利子訳
河出書房新社
2007年1月20日初版発行
2600円
神との対話、神との友情、神と一体となること、新しき啓示、神へ帰る・・・
ニール・ロナルド・ウォルシュ
吉田利子訳
サンマーク出版
1997年9月〜2007年8月初版発行
1800〜2000円
富と宇宙と心の法則、あなたが「宇宙のパワー」を手に入れる瞬間・・・
ディーパック・チョプラ
僕のこの時代遅れな、静的なホームページを久しぶりに更新したくなったのは、このアダムの本を読んで、僕のスピリ
チュアルな段階が次に進むきっかけになったことを記しておきたかったからだ。
2007年の3月、カナダへ一人でオーロラを見に行く旅にちょっと気が滅入っていた頃、この16歳のヒーラー、アダムの
本に出会った。もちろんバーバラ・アン・ブレナンの「光の手」以来、同様なヒーラーの本を多数読んできたが、ヒーリン
グ行為が、何か、自分からは遠い世界の話のような気がしてならなかった(レイキと氣圧療法は勉強したのですが・・・)
が、この本を読んで、やはり科学が究明できる対象のひとつであることに間違いないのだろう、(ま、自分にはわからん
が、)・・・自分の中で、そう確信して次のステップへ進もうと思うに至った本である。生命のすべては、「量子情報の場/
宇宙エネルギーのシステム」で全部つながっている・・・という話が、OK、納得。となったわけだ。
以来、自分の腫瘍を治してしまったブランドン・ベイズ、その本に出てきたディーパック・チョプラ、科学的根拠の福岡
伸一、一気に、神との対話に遡って、一連のニール・ドナルド・ウォルシュの本やゲイリーRレナードまで、神まで含め
て、この世界を納得し始めているのだから・・・やれやれ。
ブランドン・ベイズさんは、体の中にビーチボール大の腫瘍ができてしまったが、自分自身が持つ「癒しの力」を解明
し、腫瘍を縮小させ、ついにはなくしてしまった。素晴らしいのは、その経験を元に、他人も実践できるプログラムを作り
上げて、効果をあげていることだ(・・・おまけに本を書いて、多くの人に影響を与えているし・・・)。アダムが、「ネガティ
ブな心を持つちょっとした病気の人より、ポジティブな心を持つ末期癌患者の方が治しやすい」と言っている様に、感情
から来る問題を具体的に癒していくプログラムである。
一方、ブランドン・ベイズが、その過程で感銘を受けたディーパック・チョプラ博士の著書を読むと、キーワードは瞑想
にあると感じる。瞑想により、この世に表出していない、量子的な働きかけを行うことができるに至るらしい。人間の体
は、分子レベルでは、一年前とはまったく入れ替わってしまっているそうだが、癌の人が相変わらず癌であるのはなぜ
だろう? ちょうど、チョプラ博士が来日されて、セミナーを聞く機会に恵まれたが、瞑想により何かが起きることは、氣
圧療法の呼吸法、芹沢光治良のサナトリウムでの結核治療と共通して、たぶん核心をついているように思う。
ブランドンベイズのプログラムのキーは「ゆるす」ということのようだが、「神の使者」にも同様のテーマが書かれてい
た。ただ、こちらは、もう一度読み返してみないと整理できない。現実世界に、天使が現れて話をするというのも突拍子
もないが、芹沢光治良の世界にも似ているので、かえって両方真実味が増した感がある。「ゆるす」ということがもうひと
つのキーだろうと思う。春日大社の葉室頼昭さんも「ゆるす」ことを書かれていたから、これも大切なんだろうと思うが、
ちょっとまだ自分の準備ができていない。生まれつき、許してばかりなような気もするし。
「神の使者」と同じ通訳者で有名なものに「神との対話」がある。以前なら、手にとっても読まずに本棚に返したと思う
ような本なのだが、一連の流れの成り行きもあり、読んでしまった。形式的には、霊媒師の自動書記のようなもので、
神との対話というより、霊との対話じゃないかと思うような面もあり、また、あくまでもキリスト教の世界に育った人向け、
あるいは、アメリカ人的な表現がちょっと抵抗あり、結構眉唾的な印象もあったのだが、これはこれは・・・この神を信じ
れば十分ではないかと思い始めた。
そもそも、宗教は人間が生み出したもので、神の教えとは遠いものになってしまっているということ。神を天罰を下す
ような存在ではないということ。すべての人間が選択した結果によるものであること。ああ・・・こちらもまだ全然整理でき
ていないか・・・。それでも、これらの「神」シリーズは、大きなパラダイムシフトを起こさせてくれた。
書き始めて思ったが、全然書けない。自分の中で消化できていない。だが、確信するのは、藤平光一、芹沢光治良、
葉室頼昭の延長線というか、同じ線上に、ニール・ロナルド・ウォルシュの神がいる。

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